私は昨年7月3日(波の日)に都内で合同会社を設立しました。
一番初めに会社設立を意識したのは橘玲さんの『貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する (講談社+α文庫)』を読んだときです。
自分ひとりだけの小さな会社を作って、制度のゆがみをからこぼれ落ちてくる既得権益(著者は「黄金の羽」と呼んでいます)を享受しようという内容です。
会社を作るのがこんなにも簡単なのかとビックリしたと同時に個人と法人2つの人格を使い分けるということに興味を抱きました。
ただその時は、会社を作ってもどうやってお金を稼いだらよいのかまったくアイデアが浮かびませんでした。
その後、2012年2月26日に大親友を亡くしました。
生身の人間をこの世に蘇らせることはできません。
ただ、彼の名前の法人を設立して法的に人格を与えることはできます。
昨年、投資手法をそれまでのETFによる世界株投資から高配当株投資へ切り替えました。そうすると毎月のように配当金収入があります。
これを法人名義でやったら、配当金収入がそのまま売上になるんじゃないかと気づきました。これで事業内容は決まりました。
『図解 いちばんやさしく丁寧に書いたLLC(合同会社)設立・運営の本』や『バフェット流投資会社で富を築く資産防衛の真実』
、『投資運用会社(株式・FX)の設立と運営のすべて: 平成29年度版』
を読み、記述通りに手続きを進めると簡単に社長になれました。
会社設立して感じたメリットは下記のとおりです。
・個人は課税された後の給与で消費するのに対して、法人は課税される前に消費できる。
・個人の生活費を法人経費に振り替えることができる。
・各種サービス施設に法人で会員になれ、年会費を経費で落とせる。
私はコストコの法人会員となっています。個人の年会費4,400円に対して法人は3,850円でちょっとお得。
・30万円未満の固定資産(パソコンやテレビなど)を即時費用化できる。
・福利厚生プログラムへ加入できる。
私は東京都中小企業振興公社のJOYLANDに加盟したので、会員制リゾートホテル(東急ハーヴェスト)が利用できるようになりました。
・幕張メッセや東京ビッグサイトなどで行われる展示会に法人として参加できる。
特に食の展示会が魅力的。FOOD TABLEやFOODEX、外食ビジネスウィークなど個人で申し込むと5,000円かかるのが、法人申込だと無料となる。
・青色申告にしていれば赤字を9年間繰り越すことができる。
・代表社員(社長)の肩書がつく。
勤めてる会社を退職してフリーになっても、社長の肩書があるので世間体を気にする人にはいいかも。また、自分に役員報酬を出せば社会保険にも加入できる。
・役員報酬を月額8万円に設定すれば、所得税と住民税を免れられる。
ただし、個人で持っている金融資産からの配当所得や、FXなどトレードによる収入があることが前提となる。これらの収入は分離課税となるので、いくら稼いでも20%のみの税金ですむ。
・各自治体の創業融資を受けられる。
金利負担は0.5%で1,500万円借りられるところもある。ただし、私の様に投資を生業としている法人は不可。
・相続時に法人の資産は相続税が課税されない。
ただし、会社に貸し付けたお金が残っている場合は別。
逆にデメリットは下記の点でしょうか。
・赤字でも法人住民税均等割(7万円)を負担する必要がある。
・会計ソフトの利用料がかかる。
私が利用しているMFクラウド会計の場合、ライトプランで年間21,780円(税別)。
・決算申告を税理士に依頼する場合、数万円の費用がかかる。
・サラリーマンを辞めた際に、失業手当が支給されない。
先日、初めて決算申告を終えましたが、合同会社を設立して本当に良かったと思いました。亡くなった大親友も天国で喜んでいるでしょう。